自動車はどこまで進化するのか
自動車はどこまで進化するのかその1自動車の歴史
ガソリン自動車が発明されたのが、今から146年前の1870年、オーストリア人のジークフリート・マルクスによって初めてのガソリン自動車、「第一マルクスカー」が作られました。その後進化を重ね、大衆向けに大量生産方式で生産することに成功したのが、1908年のフォード社による「T型・フォード」、このT型・フォードをきっかけに自動車産業が飛躍的に発展を遂げました。
大量生産のおかげで自動車を大衆が手に入れることが可能となり、1920年代にアメリカ合衆国で起きたモータリゼ―ションは全世界に広まって、遅ればせながら日本においても1970年代から本格的なモータリゼーションが始まりました。その結果1950年に世界の自動車の生産台数が約1000万台だったのに対し、直近のデータによると2013年には8730万台、2018年には1億台に達するのではないかと言われています。その生産を担っているのは元々はアメリカのビック3、ゼネラルモーターズ、フォードモーターズ、クライスラーでしたが、現在ではアメリカのビック3を抜いてドイツのフォルクスワーゲンと日本のトヨタ自動車が生産台数の1.2位を争うようになっています。
自動車はどこまで進化するのかその2 日本の自動車産業
日本で自動車を初め作ったのは実はトヨタでも日産でも無く、1907年有栖川宮威仁親王殿下がオートモビル商会というところに、10台のガソリン車の製造を要請して作らせたのが初めてでした。
その後快進社自動車工場、白楊社が若干作りましたが、欧米との技術格差が大きかったためにうまく行かずに解散を余儀なくされてしまい、ようやく1932年に日産自動車の前身となるダットサン商会、1933年にトヨタ自動車の前身となる豊田自動織機製作所自動車部が設立され、現在の日産自動車、トヨタ自動車への流れとなっています。
その後の日本自動車産業は高度経済成長の波に乗って、生産台数がアメリカの生産台数を追い越すに至ったのは万人の知るところです。蒸気自動車から始まった日本の自動車の歴史は、近年まではガソリン車が主流でしたが、最近はトヨタ自動車が魁をなしたハイブリッド車が各メーカーで生産されるようになり、今や販売台数の上位にハイブリッド車がランクされるに至っています。その他三菱自動車が初めて販売した電気自動車、現在では日産自動車でも販売している他、他メーカーにおいても研究開発がなされています。それから究極の燃料と言われる水を燃料として使用する水素自動車、これもトヨタ自動車が販売に向けて最終段階に入ったとか、日本の自動車業界は今や資源の有限な石油を燃料とするガソリン車から、省エネ、環境にやさしい車へとシフトしつつあります。
自動車はどこまで進化するのかその3 自動車は人間の手で操作するものと思っていたが?自動車の自動運転とは自動車に装備したカメラやレーダーを使ってコンピューターが周りの状況を認識し、ハンドル、ブレーキ、アクセルなどを自動制御して走ることで、完全な自動運転が可能な自動車が実用化されることによるメリットには計り知れ無いものがあります。一例を上げると体の不自由な障害者、現在は障害に応じて車を特別に改造したものを使用していますが、自動運転車が実用化されればその必要は無くなります。自動運転のレベルは4段階に分かれていて、ハンドル、ブレーキ、アクセルのいずれかをコンピューターシステムが行う第一段階から全ての操作をコンピューターシステムが行う第三、四段階まであります。
最近の日本車には自動ブレーキの付いている車があって、運転者のうっかりミスによる追突や衝突回避に役立つ機能の付いた車が多く見受けられるようになりましたが、これは自動運転の第一段階で現時点ではこの自動ブレーキ機能は、人の運転を補助する程度のもので、完全に自動でどんな場合でも追突、衝突を回避できるところまでは行っていません。アメリカでは既に複数の操作をコンピューターシステムが行う第二段階の車を販売するメーカーが現れています。
日本車の今後の計画を見ると2020年までには、全ての操作をコンピューターシステムが行うが緊急時のブレーキ操作のみを運転者が行う第三段階を、2025年までは全ての操作をコンピューターシステムが行う完全自動化を目指しており、車とはガソリン車が当たり前で操作は人が行うもの思っていた人間にとっては、省エネの自動運転車の出現はまさしく自動車の革命と言えます。
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